パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。
平成29年5月10日
パート・アルバイトの皆さんへ社会保険の加入対象が広がっています。
1.社会保険の何が変わったの?
加入対象が「週20時間以上」働く方などに広がりました
日本に住む20歳以上の方や、一定の条件を満たす条件で働く方は、公的年金制度(国民年金や厚生年金保険)と医療保険制度(健康保険など)に加入することになっています(コラム参照)。
このうち、会社などに雇用されて働く職員など「被用者」を対象とする厚生年金保険や健康保険を「社会保険」といいます。
この社会保険の適用範囲が、平成28年10月1日から拡大されています。
具体的には、これまでは、一般的に週30時間以上働く方が厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入の対象でしたが、平成28年10月からは、従業員が501人以上の会社について、週20時間以上働く方などにも対象が広がりました。さらに、平成29年4月からは、従業員が500人以下の会社で働く方も、労使で合意すれば、会社単位で社会保険に加入できるようになりました(※1)。
※1.従業員500人以下の会社が、労使の合意により社会保険の加入を行う場合、従業員の2分の1以上の方の同意を得た上で、事業主から、年金事務所へ申出を行う必要があります。
詳しくはこちら:日本年金機構「労使合意に基づく適用拡大 Q&A集」[PDF]
このうち、会社などに雇用されて働く職員など「被用者」を対象とする厚生年金保険や健康保険を「社会保険」といいます。
この社会保険の適用範囲が、平成28年10月1日から拡大されています。
具体的には、これまでは、一般的に週30時間以上働く方が厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入の対象でしたが、平成28年10月からは、従業員が501人以上の会社について、週20時間以上働く方などにも対象が広がりました。さらに、平成29年4月からは、従業員が500人以下の会社で働く方も、労使で合意すれば、会社単位で社会保険に加入できるようになりました(※1)。
※1.従業員500人以下の会社が、労使の合意により社会保険の加入を行う場合、従業員の2分の1以上の方の同意を得た上で、事業主から、年金事務所へ申出を行う必要があります。
詳しくはこちら:日本年金機構「労使合意に基づく適用拡大 Q&A集」[PDF]
これにより、パートやアルバイトなど短時間で働く方の社会保険の適用範囲がさらに広がり、そうした方も社会保険のメリットを受けられるようになります(2章参照)。
適用対象となる方の範囲はこのように変わりました
社会保険に新たに加入することになる対象者
~次に当てはまる方は、社会保険の新たな加入対象者である可能性があります
コラム
公的年金制度の種類
公的年金には、次の2種類があり、日本国内に住む20歳以上の方や一定の要件を満たす条件で働く方に加入が義務づけられています。
なお、以前は公務員や私立学校教職員を対象とした「共済年金」がありましたが、平成27年(2015年)10月に厚生年金に統合されています。
なお、以前は公務員や私立学校教職員を対象とした「共済年金」がありましたが、平成27年(2015年)10月に厚生年金に統合されています。
保険制度 | 加入対象 | |
---|---|---|
国民年金 (基礎年金) | 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方 | 第1号保険者:自営業者、農業者、学生、フリーター、無職の方など。 |
第2号保険者:厚生年金保険の適用を受けている方。 | ||
第3号保険者:第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の方。 ただし、年間収入が130万円以上で健康保険の扶養となれない方は第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。 | ||
厚生年金保険 | 厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する方であって、 ・所定労働時間が「週30時間以上」の方 ・所定労働時間が「週20時間以上」かつ月額賃金が8.8万円等の一定の要件を満たす方 |
厚生年金保険に加入している方は、全国民共通の「基礎年金」に加えて、報酬比例の「厚生年金」を受けることとなります。
2.社会保険に加入するメリットは?
将来もらえる年金が増えるほか、保険料の半分を会社が負担します
厚生年金保険・健康保険(社会保険)に加入するメリットには、大きく次の4つがあります。
(1)将来もらえる年金が増えます
厚生年金保険に加入すると、全国民共通の基礎年金に加えて、在職中の給料の額に基づいて計算される「報酬比例」の厚生年金を受け取ることができます。例えば、厚生年金保険に40年間加入し、毎月8千円の保険料を納めた場合、将来受け取る年金額は毎月1万9千円増えます(※2)。
※2.40年間の報酬が8万8千円であるなどの仮定を置いたモデルケースの場合。
※2.40年間の報酬が8万8千円であるなどの仮定を置いたモデルケースの場合。
(2)障害がある状態になった場合なども、より多くの年金が支給されます
厚生年金保険の加入期間中に、万一、障害がある状態になった場合、障害基礎年金のほかに障害厚生年金が支給されます。障害厚生年金には、月額約4万9千円の最低保障額が設けられています。また、障害基礎年金は障害等級1級または2級の場合に支給されますが、障害厚生年金は障害等級3級の場合も支給されます。
また、万一お亡くなりになった場合も、遺族に遺族基礎年金のほかに遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金は18歳未満の子がいない場合は配偶者に支給されませんが、遺族厚生年金は18歳未満の子がいない場合も配偶者に支給されます。
また、万一お亡くなりになった場合も、遺族に遺族基礎年金のほかに遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金は18歳未満の子がいない場合は配偶者に支給されませんが、遺族厚生年金は18歳未満の子がいない場合も配偶者に支給されます。
(3)医療保険(健康保険)の給付も充実します
医療給付の内容は、各医療保険制度共通で、基本的に本人・家族で差はありませんが、一部の現金給付(傷病手当金、出産手当金)について、差があります。健康保険に加入していると、病気やけが、出産などで仕事を休まなければならない場合には、傷病手当金や出産手当金として、賃金の3分の2程度の給付を受け取ることができます。
(4)会社が保険料の半分を負担します
国民年金や国民健康保険では被保険者本人が保険料を全額負担しますが、厚生年金保険や健康保険に加入した場合には、保険料の半分を会社が負担します。つまり、厚生年金保険では、自身が支払った保険料の2倍の額が支払われていることになり、それが給付につながります。
3.どんな手続きが必要?
厚生年金保険・健康保険の加入手続きは勤め先を通じて行います
このたびの適用拡大により新たに厚生年金保険や健康保険に加入する方は、基本的に、ご自身の勤め先の会社を通じて手続きを行うことになります。ただ、それまで加入していた国民健康保険や配偶者の健康保険の資格喪失などの手続は、別途ご自身で行う必要がありますのでご注意ください。
【国民年金に加入している方】
厚生年金保険の加入手続きは勤め先の会社を通じて行います。
【配偶者の健康保険に加入している方】
健康保険の加入手続きは、ご自身の勤め先の会社を通して行いますが、配偶者の健康保険の資格喪失の届出を配偶者の勤め先を通じて行う必要があります。その旨を配偶者の勤め先に申し出てください。
【国民健康保険に加入している方】
健康保険の加入手続きは勤め先の会社を通じて行いますが、国民健康保険の資格喪失の届け出は自身で行う必要があります。具体的な手続きなど詳しくは、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
4.事業主の皆さんへ
いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップに取組む事業主を支援する「キャリアアップ助成金」をご活用ください。
パートやアルバイトで働く方の中には、保険料負担を回避するため、年収が被扶養認定基準(年間収入130万円)を超えないよう、働く時間などを調整する傾向が見られます。そうした就業調整を防ぎ、社会保険の適用拡大を円滑に進める観点から、パートやアルバイトの方の賃金の引上げや、本人の希望を踏まえて働く時間を延ばすことを通じ、人材確保を図る意欲的な事業主に対して、キャリアアップ助成金による支援を実施しています。
【キャリアアップ助成金を活用した支援の内容】(平成29年4月から)
(1)賃金の引上げを行う事業主への支援
(a)賃金規定等改定コース
賃金規定等を改定し、労働者の賃金を2%以上増額した場合に助成します。
助成額 1事業所当たりの対象労働者数等に応じて4.75万円(大企業3.325万円)~360万円(大企業240万円)
(a)賃金規定等改定コース
賃金規定等を改定し、労働者の賃金を2%以上増額した場合に助成します。
助成額 1事業所当たりの対象労働者数等に応じて4.75万円(大企業3.325万円)~360万円(大企業240万円)
(b)選択的適用拡大導入時処遇改善コース
積極的に適用拡大を行う500人以下の事業所において、社会保険の適用となる短時間労働者について、賃金を3%以上増額した場合に助成します。
助成額 賃上げ3%以上~:対象労働者1人当たり1.9万円(大企業1.425万円)~12万円(大企業9万円)
積極的に適用拡大を行う500人以下の事業所において、社会保険の適用となる短時間労働者について、賃金を3%以上増額した場合に助成します。
助成額 賃上げ3%以上~:対象労働者1人当たり1.9万円(大企業1.425万円)~12万円(大企業9万円)
(2)労働時間延長を行う事業主への支援
(a)短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長(※)し、社会保険を適用した場合に助成します。
助成額 労働者1人当たり19万円(大企業は14.25万円)
※平成29年4月以降、上記(1)の(a)又は(b)の賃金の引上げとあわせて労働者の手取り収入が減少しない取組をした事業主に対しては、1時間以上5時間未満の延長でも助成
助成額
対象労働者1人当たり3.8万円(大企業は2.85万円)~19.2万円(大企業は14.4万円)
詳しくは、最寄りの都道府県労働局またはハローワークへお問い合わせください。
(a)短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長(※)し、社会保険を適用した場合に助成します。
助成額 労働者1人当たり19万円(大企業は14.25万円)
※平成29年4月以降、上記(1)の(a)又は(b)の賃金の引上げとあわせて労働者の手取り収入が減少しない取組をした事業主に対しては、1時間以上5時間未満の延長でも助成
助成額
対象労働者1人当たり3.8万円(大企業は2.85万円)~19.2万円(大企業は14.4万円)
詳しくは、最寄りの都道府県労働局またはハローワークへお問い合わせください。
<取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン>
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