https://news.yahoo.co.jp/feature/1267 脊髄損傷の治療に光明 自分の細胞で神経再生、札幌医大の幹細胞治療 3/18(月) 7:47 配信 これまで有効な治療法がなかった脊髄損傷。不慮の事故などで重い後遺症を抱えた患者は、そのまま車いすや寝たきりの生活が続くのが常だった。そんな脊髄損傷患者をめぐる状況が、大きく変わるかもしれない。昨年末、患者自身の細胞を使った画期的な再生医療製品の製造販売が、厚生労働省に承認されたからだ。脊髄損傷の再生医療製品が承認されるのは初めてで、公的医療保険の適用対象となる。開発を主導した札幌医科大学の研究チームによる成果とは。(ジャーナリスト・秋山千佳、森健/Yahoo!ニュース 特集編集部) 点滴翌日、まひしていた肘や膝が動きだした その動画は、スポーツで脊髄損傷を負った40代の男性がベッドに横たわっている様子から始まる。男性は首から下の四肢がほとんど動かなくなり、寝たきりのまま札幌医科大学附属病院に搬送された。けがから約1カ月半後、ある「細胞」の入った薬剤を点滴で投与された。 すると翌日。男性は、まひしていた肘や膝を屈伸できるようになり、その日のうちに車いすで移動できるほどに回復した。前日までぐったりしていた男性は、笑顔でこう話す。 「まさか自分で(車いすを)こげるとは思いませんでしたね」 さらに回復は続く。車いすどころか、1週目で自分の足で歩きはじめ、6週目には階段の昇降がスムーズにできるようになり、12週目では普通の歩き方に。退院する24週目には、けがで一度はほぼ動かなくなっていた手指を使って、特技のピアノ演奏を披露した。 札幌医科大学附属病院(撮影:工藤了) 「これまでならずっと寝たきりの可能性が高かった人です」 ピアノを弾く画面の男性を指し示して、札幌医科大学の本望修教授は語る。動画は脊髄損傷患者に対する治験の様子を収めたものだ。治験は、本望教授をはじめとする同大学の研究チームが2013年12月から実施した。 脊髄損傷は日本国内で1年間に約5000人が新たに患者になるとされ、後遺症などを抱える慢性期患者は約10万人に上る。これまで傷付いた神経の機能を回復させるのは難しいとされ、手術や
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